JH3DRN 趣味の徒然

主にアマチュア無線、電子工作について書いてます.

ExpertSDR3 へのバージョンアップ時の問題点

動機

数少ない?? 本ページの読者さんから「ESDR3にしたいけど、どう?」との質問が有ったので情報共有の為記事にした。

SDR2DX(ハードウェア)とESDR2,3(ソフトウェア)の関係

EE社のハードウェア(SDR2, 2DX, MB1)に使用するソフトウェア(SDR2、SDR3)にはハードウェアで使用されるファームウェアが内包されている。つまりSDR2、3のソフトを走らせた時に、SunSDR2DXの中のファームウエアをチェックして、もし異なるバージョンを検知した時には、ファームウエアを再ロードするウィンドが表示される。そのウインドでファームウエアが読み込める事となり、この仕組みでユーティリティーソフトとSDRの内部のファームウエアを常に適合させている。(ファームウエアを単体で再ロードする方法はマニュアルの最期に書かれている) 安全に再ロードするには、バージョンの低いExpertSDR2を一度走らせてバージョンの低いファームを一旦読み込み、次に現行のExpertSDR2を一度走らせてロードする方法もある。
なのだが、まれに、ファームとアプリのバージョンが異なってしまう事があるようで私もこのトラブルで苦労して、結局ED社の木下さんに助けて頂いた経緯がある。そんな訳でSDR2では希にこんなトラブルが起こる可能性があると言う事。

ESDR3ではどうなの?

これに対してESDR3にはファームウェアマネージャが付属しているので常にバージョンチェックや手動でのファーム更新が出来るのが特徴となっていて安心である。ただ、EESDR2と3では使用出来るファームが異なるので一旦ESDR3に更新して、2に戻そうとした場合には上記の様な作業を行わなければならない為、注意(覚悟?)が必要となる。因みに私は2021/12にESDR3に更新して以来、2も戻そうと思った事は無い。

CATコントロール

ESDR2ではCATとしてTS-480相当のコントロールがあったと思うが、ESDR3ではこれが無い。単独で使用出来るI/Fは ”TCI” のみとなっている。但し。Radio Sync と言うソフト(EE社製)を使えばTS−480モードでCATが使用出来るので問題は無いのだが、、RadioSync とアプリの相性次第となるのでこの当たりも要注意かと。

有線LAN接続

EESDR3をリリースした時に「我々はPCとのネットワークを強化、高速化した!」とのメッセージがあったのだが、私の感想では高周波(送信電力)の影響をより強く受ける様になった気がする。具体的に言うと特定の周波数でFT8運用している場合、突然パソコンとのリンクが途絶えてしまう現象が多発していた。色々試行錯誤した結果、こんな感じで対処し現在は問題無く運用出来ている。

  1. 使用するスイッチ(ハブ)は金属ケースに収容されている物を使用する
  2. スイッチと無線機のLAN接続は出来るだけ短い(私の場合は3m)ケーブルかつシールド付きの物を使用する。

ネットワークが切れる現象はリグコントロールをCATからTCIに変更した事が影響している可能性があると思っている。CATの場合、リグとPCの間では間接的とはいえ、USB I/Fで接続されている。また、音声もVBAudio等仮想のI/Fで接続されているのが、TCIになった途端、CATも音声も全てイーサネットでのコントロールとなり負荷が高くなったのでは無いか??(私の推論なので??ですよ)そんな感じでESDR3での運用では物理的にイーサネットをどう構築するかが課題であるとの結論に達している。

じゃあどうなの??

私の中の結論は「ESDR3有りき!」で2に戻る事は無い。先にも書いたが2021/12よりESDR3を使ってきて、まあ色々有ったが現在も快適にオペレーション出来ている事が「ESDR3有りき」の証明だと思う。ESDR2には長い歴史があり安定しているので2の機能で満足されているならバージョンアップの必要は無いと思うが、ESDR3も良いですよ!と一言 言いたかった。