JH3DRN 趣味の徒然

主にアマチュア無線、電子工作について書いてます.

K3NG CW Keyer を作る;ハードウェア編

経緯

1つ前の記事でCQ誌掲載のエレキーをケースに組んだ記事を書いたが、これ以外に気になっている機種が有って、それが "K3NG CW Keyer" だった。こいつはArduinoベースのエレキーで、定義ファイルを変更する事で機能の拡張や縮小が出来ると言う代物。arduinoは7,8年前から使っていて、ラジオや時計を沢山作った経験がある。それなりに下地が有ると自惚れて挑戦した結果の報告をさせて頂く。

まずはハードウェア製作

このKeyer はGit に回路図、プログラムリスト、ドキュメントが揃っているのでそれを見てフルスクラッチで作っても良いのだがそれも面倒なのでせめてPCBが無いかと探していた所、JH1LHVさんのHPを見つけて購入させて貰った。(何と2枚で500円!!)
JH1LHV氏の領府ページ
Git DownLoad のページ`
領府頂いたPCBは2枚。1枚はKeyer 本体でもう一枚はAliExpress で購入出来るモジュールをArduino 標準のサイズに変換して、シールドが装着出来る様にする変換基板。それぞれ、部品を装着した様子がこちら。

Keyer PCB に部品を装着した状態
Keyer 基板を乗せる、CPUボード

因みにこのMega 2560 pro CPU だが、AliExpress で1300円程度で購入出来る。ソフトウェア編で書くが、K3NG の全てに近い機能を実装しようとすると Arduino UNO では不可能なのでこのCPUを購入する事をお勧めする。

ここが要注意

Keyer 基板に液晶基板:1602+I2C変換基板を装着するのだが、ここで要注意。まず、I2C基板に接続されてるI/Fコネクタは水平に装着されている。これを領府基板に接続する為に垂直に変換する必要がある。無論ラジペンで曲げても良いのだが、電動の半田吸い取り器をお持ちなら交換される事をお勧めする。それとこれが重要。I2C基板に液晶表示コントラスト調整のVRが付いているが、現状のまま装着すると、取り付けた後で調整出来なくなる。で、このVRを外してワイヤリング配線で領府基板の縁に接着固定する。まあ、どうという事の無い処理だがコントラスト調整が出来るのが便利。

1602基板改造の様子

現状

ここまで書いた状態でトランシーバーに接続して正常に運用出来ている。ソフトウェア編で書くがまあ、色々有った。(笑 で、このCPU+シールドを金属ケースに入れたいと思っているのだが、適当なケースが見つからない。液晶表示器をワイヤリングして別基板とする等、色々と考えどころが有るが、まずは機能充足で満足とするとした。

CQ誌 2008年6月号付録:エレキーをケースに入れた

経緯

この所、CW運用に向けてトレーナーでの聞き取り訓練とかキーヤーの整備等を行っている。そんな折、昔 CQ誌の付録でエレキーのプリント基板が付いていた事 & パーツを何処かで手配して組んだのを思い出して探した所、見つかった。折角なのでケースに入れて実用化することにした。

エレキー基板が付録で付いていたCQ

まだ売ってる?

ネットで調べた所、このエレキー マルツエレックさんで現在も販売している模様。16年も前のキットが復元されて販売されている事も驚きだが、ネットで検索するとこのエレキーを現在も使っておられるOMがおられる事を見ても、使い勝手が良い事が窺える。

マルツエレックさんのHP

こんな感じでケースに入れた

フロントパネル
リアパネル
ケース内部:全景
ケース内部:基板詳細
ケースはタカチの YM-130 を使った。モニタ出力は圧電ブサーとスピーカが選択出来るがスピーカの方が聞きやすい様だ。(周波数がブザーより低い)消費電力はそれほどでも無いのでアルカリ電池4本でも賄えると思うが今回は出来るだけコンパクトに纏めたかったのと、シャックには12Vが取れる電源が有ることで敢えて外部電源とした。

使って見た感想

私が主に使おうと思っているパドルはハイモンドのMK-701 シングルレバーだ。アイアンピックも幾つか持っているがシングルレバーの方が誤打鍵が少ない気がする。(私だけ?)使った感じは他のOMも書いておられるが妙な引っかかりが無くスムーズに運用出来そうだ。まあ、比較するエレキーがそれこそ20年前にフルディスクリートで作った物なので比較にならないかも知れないが。

これも20年物の MK-701 :ハイモンド製
さて、後はK2トランシーバの保証認定用の資料を作って申請するだけだが、今回は「電波の強度に対する安全施設について」の書類を作らないと行けないので家やアンテナを含んだ敷地面積、距離などを調べて作成中。固定局に取っては世知が無いご時世となりました。

JARLへ行って来た!:紙QSLをLOTWに反映させる

経緯

2020年にアマチュア無線にカムバックして今日まで(2024/02/15現在)DXCCを追いかけた結果Degital でのコンファームが241エンティティとなっている。これはまあそれなりの結果だと思うが、実はその昔にもDXCCを追いかけていた時期(1970年代)があってその頃にQSOしていて、今日の時点でまだコンファーム出来ていないエンティティが幾つかある。また、最近のQSOでも「紙QSLのみ発行するよ」的な局との交信があって、合わせると10局程度ある事が分かっていた。で、この紙QSLをLOTWに反映するにはどうする??との課題を暫く抱えていて今回、解消すべく動いた結果を記する。

紙QSLをLOTWに反映する方法

色々調べた事と今回JARL訪問で得た情報によると、次の3つ位方法が有りそうだ。

  1. ARRLへ直接紙QSLカードを送ってフィールドチェックをして貰う
  2. JARLでフィールドチェックをして貰う (対面 or 紙QSL郵送)
  3. DXCC OnLine にQSOを登録後にJARLでフィールドチェックを受ける

一般的には 2. か 3. になると思う。2. 3. の違いはと言うと、、DXCC OnLine で登録すると、QSO情報が予めARRLに登録されているので、フィールドチェックの結果がOKであれば即時にLOTWに反映される事。2. の場合はJARLから書類がARRLに渡った後、ARRLの職員さんが紙書類をみてデータベースにQSOを入力されるので時間が掛かるとの事。つまり、 3. の方が 所要時間が短いとの事だった。因みに費用は変わりないらしい。

申請方法

DXCCフィールドチェックを受けるのに必要な書類に付いて少し。必要な書類は、
1. DXCC AWARD APPLICATION
2. DXCC Record Sheet の2つ。何れも下記URLからダウンロード出来る

https://www.arrl.org/files/file/DXCC/dxccapp.pdf

PDF形式なのでダウンロードして自筆で記入してもいいが、私はVisio使いなのでPDFを背景にして、前景にデータを記入して作成した。記入例を下記する。

申請書の表紙
QSOデータを記入する用紙

表紙の記入注意点は
1. 中段下の「サイン、、」の部分は必ず自筆で記入する
2. 上段の New Award, Endorsement の部分は分からなければフィールドチェック時に聞く
QSOデータに付いては
1. 記入はバンド別、モード別に記入する
2. Country Name はDXCCリスト等で正確に記入する ( もし間違っていてもフィールドチェックで直してくれるので心配無いが、記入時にチェックした方が良い)

私の場合もこの CountryName が結構間違っていて修正頂いた。こう言う修正が有るので出来る事なら対面のフィールドチェックをお勧めする。今回は「JARLへ行く!」と言う目的も有って対面とさせて頂いたが結果的には良かったと思う。

JARL大塚駅南口

JARLは12,3年前に巣鴨から大塚へ移転されたとの事。アクセスは大塚駅南口から徒歩5分程の距離でコンビニが入っているビルの6階にある。屋上のアンテナとビルのプレートがこちら。

JARLが入っているビル屋上のアンテナ
ビルの案内版

審査結果

今回は対象QSLカードが20枚で審査時間が約20分。審査結果がこちら

審査結果
これで多分3ヶ月程でLOTWに反映されるはず。その頃にはペディでゲットしたエンティティと合算で250に到達しているはず(だったら良いな) 今回は本当に良い経験をさせて頂いた。JARL & 審査員の先生、有り難うございました!。

蛇足

実は今回訪問したJARLのほんの少し先に(今は無いが)四十数年前に勤めていた会社が有った。今回の大塚訪問は多分30年ぶり位だったが、嬉しい発見が2つ。当時良く通っていた洋食店「ABC」と、給料日にしか行けなかった焼き肉店「山水園」がまだ有った事。次回は是非訪れて見たいと思った。

洋食屋「ABC」
山水園の看板

昭和43年頃の通信教育テキスト:電話級

経緯

DXCCの申請で昔の紙QSLをLOTWの反映する申請の為、最古のログを探していた所懐かしい物が見つかった。私が12才の頃に電話級アマチュア無線技師の試験を受ける時に受講した通信教育のテキストである。この頃、試験はまだ記述式だったのでそれなりに難しかったと記憶している。で、テキスト全景がこちら。

昭和43年頃の通信教育:電話級のテキスト達

添削資料

少し見たのだが結構難しい事やってるなあ、って感じ。12歳にしてはあっぱれかなと思う。(昔の私を褒めてやりたい!)そんな添削資料がこちら。

添削資料の一部:頑張ってたんだねえ〜

こう言った資料の取り扱いについて

今回に資料に限らず私&OM諸氏がお持ちの資料を何とか後世に残したいのだが、、色々難しそう。

ExpertSDR3 Ver 1.0.7 Beta リリースされる

今年初めの記事

気がつけば1月も終わろうとしていて、ちょっとびっくり。特にイベントも無かったので記事を書くことが無かったが、考えて見れば1月は1本も書いてない!!流石に拙いと思いやや日にちが経っていて余りぱっとしないが、、書いてみる

今後のリリース スケジュール

年末のクリスマスに ”正式版がリリースされるか!?” と期待していたのだが、リスケとなった様で ”2024/5に正式版をリリースするよ” とのアナウンスがあった。”何だ5月まで待つのか” と思っていた矢先の1/12 になんと V 1.0.7 がリリースされた。その前にリリースされた V 1.0.6 はEコーダーが使えなかったのでパスしたが、1.0.7 は如何に?

主な機能追加
・ドライブスライダーを右クリックすると、チューンスライダーの値がコピーされる
・TCIのバージョンを2.0に変更した。(1.10と変更はない)。

どうと言う事無い機能追加って感じ

バグ修正点
・MB1において、60Мまたは11Мバンドが有効になっている場合、フロントパネルのボタンによるバンド選択が正しく動作しない。
・RadioSyncの場合 - CATを使用したRIT機能の制御が正しくない。
・ExpertSDR3 - CW から AM に切り替えたとき、RX 信号が失われることがあった。
・ExpertSDR3 - マイク選択がTCIでスタックすることがあった。
・マイクが信号源として選択されているとき、TCI - TRXコマンドが第3引数で動作する。

これもあんまり関係無い感じ

使ってみて

問題なく使えている。周辺アプリも問題なし。EコーダーもOK と言う訳で1/12~今日(1/31)まで毎日使っているが問題は発生していない。このまま5月まで行くのか?何処かでマイナーアップがあるのか。期待しないで待つ事にする。

ExpertSDR3 Ver 1.0.6 Beta リリースされる (2023/12/28)

FBの予告では

少し前に書いたが、FBでは "12/29に何かリリースするよ” と予告が有ったのだが今日(12/28:夕刻)HPを見てみると何と、1.0.6 が公開されていた。何なのかなあ?? 1日早まったのか?、予告の日を間違えたのか?、明日もリリースするのか? 答えは明日まで待つ事として、例に寄って人柱としてダウンロードしてインストール

問題発生

ダウンロードしたファイル ExpertSDR3 1.0.6 beta macOS.dmg" をクリックして開こうとするとこんな画面が表示される

macでDLしたファイルを開いた所
まあ、何時もの様にコマンドラインで "xattr" たたけば動く、、、と思って色々オプションを付けても全く駄目。macOSが新しい(14.1.2)事が原因なのか?分からない。1時間程度試したのだが駄目で最後の手段として、mac上の仮想で構築したWindwos11 でダウンロードした所、、動いた。(下記画面)
WindowsでDLして実行した状態
以前もこんな事が有ったが、その時は xattr コマンドで属性を変えれば実行出来たのに。macOS のソフトウェアをアップルストア以外で配布するのが難しくなって来ている気がする。

インストールした結果

1.0.5で問題だった "E-Corder" , "Radio Macro" , "Radio Spot" , "Radio Sync" それぞれ、ざっと見た感じでは動いている。(エラーは出ていない)今回はリリースノートもちゃんと載っていて内容を要約するとこんな感じ。

新機能

Linuxユーザ向けに、tty0tty COMポートのアクセスルールを自動的に追加するスクリプトを追加。
  ExpertSDR3のインストール中に、仮想tty0ttyポートのアクセスルールを追加するように要求される。
・ アクセスルールは、PC再起動後に有効になり、ExpertSDR3を含むサードパーティソフトウェアによってポートが正しく開かれるようになる。
・ ExpertSDR3を含むサードパーティソフトウェアによって正しく開かれる。
・ 新しいTCIプロトコル1.10に対応した。
・ ExpertSDR3/RadioSync/RadioMacros/RadioSpot の新機能: 通知を無効にする。

取りあえず使えそう

メインで使う "JTDX" , "RumlogNG", が今の所正常に動いている為このまま使う事にした。何か状況が変わればまた、書きます

追伸

上記の事をEE社のフォーラムに書いたらEE社:Romeさんから速攻で投稿があって、「今あるファイルを消してもう一度DLして試して」とのメッセージ。確かにmacでDLしても旨く行った。新しいファイルのタイムスタンプを見ると、最初にDLした時刻より後なので修正されたのかも。取りあえずお騒がせしました。

ExpertSDR3 Xmas Release ちょっと延期か?

HPのリリース予定では

EE社のHPでの予告ではESDR3 V1 Final Version は今日(2023/12/25)にリリースするとの記述があったが、今現在(2023/12/25 21:30 JST)に記述が変更されており、新たな予定として " ExpertSDR3 1.0 Final - May 2024 " となっている。この件についてFBで詳細な記述があったので共有しておこうと思う。

FBに記述されている事の要約
  1. 2021年以降、スタッフは倍以上になり、 若手学院の卒業生を加えてプログラマーのチームを拡大した。 1年間のインターンシップの後、彼らの最初の成功は、この秋に公開したRadioSyncとRadioMacrosのユーティリティになる。
  2. 2023年の後半には、ロシアでのトランシーバー生産を本格的にローカライズするために、フライスと金属加工能力を拡大し始めた。 国内機器の需要が高まり、海外からの物流がますます信頼できなくなってきている今日(今年11月に遭遇した)。 現在、私たちは金属加工、レーザー、ラザー、等の高級フライスセンター(CNCマシン)を処分している。 これらの生産施設は、3Dモデルからシリアル製品への経路を短縮することで、開発プロセスをスピードアップすることが出来る。
  3. SDR3への新ファームウェアの実装は2024年4月中に行われ、それぞれ新しいファームウェアを搭載したExperetSDR3のリリースは2024年5月に延期される。 ERS用サーバーおよびクライアントSWのさらなる開発は、2024年夏に移行された。 バグ修正を備えた新しいExpertSDR3が12月29日にリリースされる。現在作業中。
  4. duplexは新しいファームウェアがもたらす多くの機能のうちの一つに過ぎないことに注意すべきだ。 例えば、私たちはすでにDHCPネットプロトコルを実装しており、ネットワークにおけるトランシーバー操作を大幅に簡素化している。 これに加えて、特定の重要なチップのハードウェアの誤動作を自動的にユーザーに知らせるサービス機能を追加した。 他のイノベーションの中では:
    • 受信範囲最大800MHz(SS2DX/PRO/MB1)まで延長;
    • ALC;     ファームウェア構造、プログラムとトランシーバーの操作における既存の欠陥を排除する。

5月のリリース前に、GitHubで公開されたバグレポートを再度チェックする。このプログラムのバージョンは、新しいファームウェアとバグなしのファイナルバージョン1.0になる。 最後まで読んでくれたみんな、ありがとう。一緒にいてくれてありがとう! Expert Electronics Teamは、皆さんにメリークリスマスと新年あけましておめでとう! 73!

色々楽しみ

取りあえず12/29に何かリリースされる様なのでこれはこれで楽しみ。最終が来年5月との事でこれも首を長くして待つ事になると思う。頑張れEE社!!